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from Germany, 旅が好き、本が好き。

ブックレビュー「燃えよ剣」司馬遼太郎

私はあまりテレビを観ない。

 

そんな私が唯一ハマったNHK大河ドラマが「新選組!」でした。

幕末を駆け抜けた彼らを三谷幸喜脚本、香取慎吾主演で描いたそのドラマは、今振り返っても相当な豪華キャストで、定期的に観返したくなります。

 

そして私の手元には、いつ買ったのかさえ忘れたほど長く積読だった「燃えよ剣」。

 

本は好きだ。大好きだ。

でも、どうしても歴史物と海外文学とファンタジー(結構多い)は、ページが進みません。

単純に、向き不向きの問題だと思います。

 

それでも名作と名高いこの作品を、いつか読める日が来るはずだと祈りにも近い思いで、ずっと持ち続けてきました。

 

日本から遠く離れたヨーロッパで暮らす今、その生活の中でもさらに旅行中、という私にとっていわば“非日常中の非日常”と言える環境で、ようやく読むことができました。

 

旅行の際はいつも本を持って行きます。

行き先と一致した舞台であったり、季節が合っていたり、選ぶ理由は様々ですが、今回は、あまりにも日本とかけ離れたところだからこそ、日本の歴史に触れたいと思ったのです。

 

私の思惑は想像以上の集中をもたらし、3日間の旅行の空き時間で上巻を読み終え、帰宅後そのままの勢いで下巻を読破したのでした。

 

高校生の頃、かじりついて観ていた山本耕史演じる土方歳三が、藤原竜也扮する沖田総司が、鮮やかに脳内をかけめぐります。

 

大河ドラマで足りないキャストは、少年マンガ「るろうに剣心」の出番です。

 

主要メンバーのほとんどを実写で思い描いている中、武田観柳斎は特徴的な漫画の顔のまま、銭取橋で討たれてゆきました。(誰か分かって…!!)

 

この作品は新選組副長、土方歳三の一生を描いています。

喧嘩師としての意地や天性のカンを貫いた彼の一生は、あまりにも激しく濃いもの。

 

同時に、ともに駆け抜けた仲間も、剣を交えた敵も、故郷で待つ家族も、人知れず戦う女も、すべてすべて、血の通った人間なのです。

 

登場人物は多い。

そのすべてが生きています。

 

紙に印刷された文字を超え、私の想像の中で動いていた彼らはいつしか逆転し、私が彼らの時代に取り込まれてゆきます。

 

池田屋を襲撃し長州や土佐の藩士を斬り、夜な夜な京の町を走り回っていた彼らと、どこかですれ違っていたような気さえするのです。

 

司馬遼太郎 (著)

 

 

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