毎週土曜日はどこかへ出掛けるのが恒例になっています。
ドイツは日曜日はスーパーマーケット含めほとんどのお店が閉まっているので、
出掛けるなら土曜日!です。
博物館や観光名所などは日曜日も開いているところは多いですが、
ついでにショッピングを楽しんだりするには、やはり土曜日がオススメですね。
先週の土曜日は、シュトゥットガルトから車で約1時間、まさに週末の小旅行にピッタリの、
ウルムへ行ってきました。
最大の目的は、“世界最大の教会堂建築、ウルム大聖堂”!!
先日、夫が出張でケルンへ行った際、かの有名なケルン大聖堂を見たそうで。
THE・ヨーロッパ、な教会堂建築ってやはり新鮮で興味深いですよね。
夫だけ名所を堪能した(あくまでも出張ですが…)のがうらやましく、
夫は夫で、他の大聖堂も見てみたくなったらしく…
調べてみると、シュトゥットガルトの近くにありました!
それが教会堂建築としては世界最大の、ウルム大聖堂だったというわけです。
高さはなんと、161.53m。
この数字だけ見ても、正直ピンときません。
ちなみに、東京スカイツリーは634m、東京タワーは333m、六本木ヒルズだって270mあります。
・・・あれ?もしかして、あんまり高くない…??
そんな不安を胸に車を走らせていると、どーんと見えてきました!
大丈夫!デカい!!
ドイツに来て思うのは、日本(というか東京など大都市)と違って、高い建物が本当にないので、
161.53mの大聖堂、体感的にはスカイツリーと同じくらいです。
実は駐車場が見つからず少しフラフラしたのですが、街のどこからでも大聖堂が見えるので、迷う心配なしです♪
てくてく近づいていくと…
大聖堂前の広場では、大盛況のマルシェが♪
野菜や果物がほとんどでしたが、チーズ、魚、花、手作り雑貨などもあり見ているだけで楽しいですよ。
そして写真に写る大聖堂。
中ほどのバルコニーのようなところに数人の観光客、見えますでしょうか?
上ってるー!!
これは我々も続かねば!と気合が入りますが、時刻は11時30分。
微妙にお昼どき…
なぜこんなことを気にしているのかというと、この大聖堂、140mほどまで上ることができるのですが、、、
階段です。すべて。
そう、腹がへっては戦はできぬ!!
とりあえず軽く街を散策したあと、マルシェでサンドイッチを購入。
お腹を満たしていざ出陣です!!
入り口がとても地味。最初、閉まっているのかと思いました…
券売機でチケットを買います。大人5ユーロで、上まで行けますよ◎
中は薄暗く、石壁に囲まれた人ひとり分の螺旋階段が、果てしなく続いています。ウルム大聖堂
https://www.ulmer-muenster.de/
ドイツ語サイトですが、写真も美しいのでぜひご覧ください♪4-9月 9:00~18:00(月ー金)
10:00~18:00(土・日・祝)
10月 10:00~16:00
11-1月 10:00~15:45
2-3月 10:00~16:00
歩き始めてすぐ気づきましたが、これ、始まったら戻れない…
上りは上り専用、下りは下り専用、と階段が分かれているんです。
途中数ヶ所ある展望デッキまでは何が何でも上らないと、下りたくても下りの階段が無いんです…
そしてもう一つ、私は気づきました。
こ、怖いかもしれない…
子供の頃はずっとマンションの高層階に住んでいたこともあり、今まで全く高いところに苦手意識はなかったのに…
2週間前のオーストリア、アイスリーゼンヴェルトへのケーブルカーでも薄々感じていましたが…
[kanren2 postid="238"]
そう、高所恐怖症になったかもしれない…
この疑惑は、ウルムで確信へと変わりました。
螺旋階段と外界は、石の壁一枚で隔たれているのみ。
一面壁ならば怖くないのですが、窓だらけでスッカスカです。。
窓には、細い細い金属棒が十字に付いているだけ。
風も音もダイレクトで、見たくないのに外の景色も視界に入ってきます。
まだそこまで高くない段階から、腰は引けるわ足はすくむわ…
最初に下から見えていた、一番目の展望デッキ。
肉眼だと、まだまだ下にいる人の顔も判別できるくらいの高さです。
デッキまで出てしまえば全然怖くないのですが、とにかく螺旋階段が恐怖でした…
少し景色を楽しみ、呼吸を整えて、さらに上へと向かいます。
どんどん上っていくにつれて、恐怖心もどんどん強くなっていきます。
この石壁が崩れたらオシマイだ…と、自分で自分を追い詰めていく私。
けれど、後ろからも人が来ているので、できるだけ平常心を装って上を目指します。
かなり上って、一際広い場所に出ました!
やったー着いたー!
と思って見上げると、人がいますね。
まだありました。結構膝が笑っていますが、ここまで来たからにはてっぺんまで行かねば!
最後の階段だけは、この細い円柱内に造られた螺旋階段を、上りも下りも使います。
ということは、、、分かりますか?
上の写真、中ほどの女性と下の方の男性、窓にぺたーっと張り付いていますよね。
これ、上る人と下る人がまさにすれ違っている瞬間です。
絶対こうなるのに、どうしてこの構造なの!?と、日本ではありえないであろう光景にポカン…
そもそも、螺旋階段でひたすら上ること自体、日本ではありえない気がします…
まず第一にエレベーターがあって、展望デッキだって望遠鏡が置いてあったり、床の一部だけスケルトンになっていたり、売店があったりトイレがあったり、当時の道具や写真が展示してあったり(ウルムにもすこーしだけ展示はありましたが)、しますよね??
文化の違い(?)を実感してただただ面白い、の一言です。
とにもかくにも、私たちも上の写真のように何回かぺたーっとやったりやってもらったりして、ついに!ついに!!
これがてっぺんからの眺めです!
美しく青きドナウは本当に美しく青いです。
下界はミニチュア。昔ファミコンで遊んだ、「シムシティ」という街を作るゲームを思い出しました。
あと、たぶん皆さん思わず口走ってしまうと思います。
「人がゴミのようだ」って。
必死で上って、こんな浅い感想ばかり抱いていたわけではありませんよ。
遠くや下を見るのももちろん圧巻ですが、見上げるともう螺旋階段も石の壁もなく、
すぐそこには青い空が広がっていました。
どうやってこんなに高い建物を作ったんだろう、この石を積んだ人はどんな気持ちだっただろう、と思いを馳せます。
街は随分と変わったに違いありませんが、彼らも私も、同じドナウ川を見ているのでしょうか。
さて、辛かった上りに比べると、下りは一瞬。
せっかくなので大聖堂の内部も見学します。
ステンドグラスがとても美しく、厳かな気持ちになります。
ちょうど結婚式が執り行われており、生歌の「You Raise Me Up」が響いていました。
さっきまでの恐怖はどこへやら、なんだかうっとりしてしまいますね。
ウルム大聖堂をすっかり満喫したあとは、ほとんどお店がたたまれてしまったマルシェで、フルーツボックスを。
緊張がほぐれ、生き返ります♪
なんだかんだ、上って下りるだけでも1時間以上かかりました。
結構なアトラクション気分で、たったの5ユーロ!
ここウルムは、アインシュタインの出生地でもあり、有名な舌を出した像などもあります。
こじんまりした街なので、半日観光にピッタリですよ。